お題の説明:
黒(読み)くろ
日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒」の意味・わかりやすい解説
黒
くろ
まったく光のない状態が完全な黒であるとされているが、この状態ではなにも感じられない。実際には、わずかの光を一様に反射するものを黒として見ているといってよい。黒は、じみで、暗く、重々しい、沈んだ、やや静的といった印象がもたれる。また、どちらかといえば男性的で、はっきりした感じをもつ。黒からの連想は、タイヤ、モーニング、黒髪など、黒色であるものが多い。また、抽象的なものとしては、不安、死、不気味、陰気、孤独といったように、暗闇(くらやみ)などと結び付きやすいものが連想されている。罪、恐怖などといったものとも結び付きやすい。
黒に対しての好みは、成人においては比較的高い。一方、子供の場合には、嫌いな色としてよく指摘されている。黒の連想はあまり快適なものではないようであるが、実際に服などに使用するとその印象が変わってくる。立体的なもの、動きが入るもので黒の場合には、光の状況により微妙に変化して見える。このため実際に使用すると、ニュアンスのある色として感じられる。黒は白とともに無彩色の代表とも考えられるが、人間の目が、暗いほうの明るさの変化に敏感であるため、わずかな光の反射の違いが、黒を微妙に変化させる。したがって、シックな感じをもたせることが往々にしてある。
黒はまた重厚感を生じさせる。これは、色彩のなかでもっとも明度が低いことに対応している。黒は連想、象徴されるものが、暗闇などから感じるものと類似しているため、表に出ないで、陰でいろいろなことをする場合などの表現としても使われている。黒幕、黒衣(くろご)ということばなどその例であろう。ほかに、黒と白の両方を使い、黒白をはっきりさせるなどともいう。黒そのもののイメージと、実際に用いられたときがかなり異なるのも黒の特色であろう。
[参照項目] | 色 | 色彩心理学
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
色名がわかる辞典 「黒」の解説
くろ【黒】
色名の一つ。英名はブラック(black)。JISの色彩規格では、そのまま「黒」としている。一般に「炭のように黒い」「墨のように黒い」という表現をするが、いずれも黒に近い色であって純粋な「黒」ではない。すべての光を完全に吸収できるような黒い物質は存在しないとされている。したがって、色名としての黒は他の色の概念で例えようがなく、黒は黒となってしまう。黒系統の総称としての意味合いが強い。また、黒は無彩色であり、白の対語。この黒と白はもっとも古く発生した色名の概念とされる。中国から伝えられた五行説では「木火土金水」の「水」に相当し、季節では冬を表す。この場合は「玄」と表記され、冬の異称を玄冬という。またファッションで黒はお洒落しゃれな色の一つだが、黒という言葉で何かを形容するときは「黒社会」「黒幕」「腹黒い」「黒星」などマイナスイメージになることが多い。
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3. では、それが無ければ、今まで与えてもらっていた価値を、みんなが自分で全部、どのように満たしていけば良いのか?
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