お題の説明:
冬(読み)ふゆ(英語表記)winter
1年を春夏秋冬の四季に分けたときの第四の季節。秋と春の間にあるが、期間は次のようなとり方がある。
(1)天文学的には太陽黄経が270度の冬至(とうじ)から、これが0度となる春分の前日まで。
(2)気象学上は、北半球では現行暦の12~2月を、また、南半球では6~8月を冬という。
(3)俳句の季語などに使われる冬は立冬(11月8日ごろ)から立春(2月4日ごろ)の前日までをいい、初冬(立冬から大雪(たいせつ)の前日、12月7日ごろまで)、仲冬(大雪から小寒の前日、1月5日ごろまで)、晩冬(小寒から立春の前日、2月3日ごろまで)の三冬(冬全体)に分けていわれることもある。
冬は、語源的に「冷(ひ)ゆ」が転訛(てんか)して「ふゆ」になったとされている。
気象としての冬
一年中でもっとも寒い季節で、もっとも気温が下がるのは1月末から2月の初めにかけてである。二十四節気でいうと、それは大寒(1月20日ごろ)から立春のころまでに相当する。低温であることのほか、日本の冬を特徴づける季節的特徴は次のとおり。
(1)日の出の時間が遅く、日の入りの時間は早く、昼の時間が短い。
(2)南中時の太陽高度が低く、日影がもっとも長くなる。
(3)天候は大陸上の寒帯気団に支配され、北西の季節風が卓越する。
(4)この季節風によって、日本海側は雪や雨の日が多く陰湿な天気が続くが、太平洋側では乾燥した晴天が続く。
(5)日本海側の雪は1~2月に多く、太平洋側の雪は2~3月に多い。後者は冬型の気圧配置が弱まり、日本南岸を低気圧が東進するような場合に降る。
(6)都市では多くの人が暖房などの熱を放出するので、冬季の気温は人為的に上昇する傾向があり、郊外と都心とでは数℃の気温差が現れるのも珍しくはない。
文学としての冬
春・秋に対して夏・冬の存在感はやや希薄だが、四季の季節的な区分が明確な日本の風土の特性から、冬も四季の一つとしてその一角を担い、勅撰(ちょくせん)集の部立(ぶだて)にも入っている。早く『万葉集(まんようしゅう)』から四季の意識はみられ、巻8や巻10に「冬雑歌(ぞうか)」や「冬相聞(そうもん)」に部類されており、景物としては、霰(あられ)、霜、嵐(あらし)などもわずかにあるが、雪が大部分を占め、また梅が数多く詠まれているのが注目される。『古今和歌集(こきんわかしゅう)』「冬」も、雪が中心で、時雨(しぐれ)、冬の山里、氷などがわずかにみられるが、さらに歳暮(せいぼ/さいぼ)という暦意識をもった歌材が加わっているところに特色がある。『後撰(ごせん)集』以後は景物も多様化し、時雨、霰、霜、氷、嵐などとともに水鳥が詠まれるようになり、雪ばかりといった感はなくなる。『古今六帖(ろくじょう)』「歳時(さいじ)」の冬の項目には、初冬、神無月(かんなづき)、霜月(しもつき)、神楽(かぐら)、師走(しわす)、仏名(ぶつみょう)、閏月(うるうづき)、歳(とし)の暮などの題が掲げられている。『堀河(ほりかわ)百首』にはこのほか、網代(あじろ)、鷹狩(たかがり)、炭竈(すみがま)、埋火(うずみび)、除夜など、また、『永久(えいきゅう)百首』には、霙(みぞれ)、初雪、野行幸(ののみゆき)、落葉(おちば)、五節(ごせち)、椎柴(しいしば)、薪(たきぎ)、衾(ふすま)、鴛鴦(おし)、貢調(みつぎもの)、仏名、旧年立春があげられ、冬の歌題はこれらにほぼ尽くされている。『源氏物語』「少女(おとめ)」の六条院の冬の町では、雪と松の垣、霜と菊の籬(まがき)との配合が考えられ、さらに柞原(ははそはら)や深山木(みやまぎ)が彩りを添えている。冬の中心的な歌材である雪は、荒涼として孤絶した風景を形づくるものとして、『後拾遺(ごしゅうい)集』(冬・和泉式部(いずみしきぶ))「さびしさに煙をだにも断たじとて柴折りくべる冬の山里」のように詠まれ、また、冬の花として、あるいは梅の花との紛れとして、『古今集』(冬・紀貫之(きのつらゆき))「雪降れば冬ごもりせる草も木も春に知られぬ花ぞ咲きける」などと詠まれる。冬の月は『万葉集』から詠物(えいぶつ)題としてみられるが、冬、とくに師走の月を「すさまじきもの」とする季節感、また、それに反発するものが、『篁(たかむら)物語』、『うつほ物語』「蔵開(くらびらき) 中」、『源氏物語』「朝顔」「総角(あげまき)」、『狭衣(さごろも)物語』巻2、『更級(さらしな)日記』などにみられ、王朝文学において独特な美意識を形成している。
季題は冬。雪の花、風花(かざはな)、牡丹(ぼたん)雪、細(ささめ)雪、雪明り、雪月夜といった陰影に富んだ季語が数多く生み出されている。
出典 日本大百科全書(ニッポニカ)
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3. では、それが無ければ、今まで与えてもらっていた価値を、みんなが自分で全部、どのように満たしていけば良いのか?
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4. 改めてイメージしてみると、それがそこに存在できているのは、その周りの誰が(あるいは、何が)支えてくれているお陰なのか?
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