お題の説明:
ダイコン(読み)だいこん(英語表記)Japanese radish
日本大百科全書(ニッポニカ)「ダイコン」の解説
ダイコン
だいこん / 大根
Japanese radish
[学] Raphanus sativus L.
アブラナ科(APG分類:アブラナ科)の一、二年草。春の七草の一つで、スズシロともいう。歴史の古い野菜で、その発祥地には諸説があるが、一般にはカフカスからパレスチナ地帯原産と考えられている。世界各地で栽培され、形態的にも異なった多くの品種があるが、それらはすべて植物分類学上、単一の種とされている。根生葉は互生で束生し、へら形のものから羽状に深裂したものなどがあり、普通は粗い毛がある。春に地上茎を直立し、枝先に総状花序を出し、白または淡紫色の十字花を多数つける。果実は長さ約5センチメートルの長角果でくびれがあり、膨らんだ部分に1個ずつ1果に数個の種子が入っている。アブラナ属(カブやキャベツ)と異なり、熟しても莢(さや)は裂開しない。茎の基部とそれに続く主根の肥大したものが大根で、葉とともに食用とする。大根の形は丸型から棒状まで品種によりさまざまである。
食の医学館「ダイコン」の解説
ダイコン
《栄養と働き》
アブラナ科の1年草であるダイコンは、春の七草の1つの「スズシロ」として、わが国では古くから親しまれている野菜です。
ダイコンには数多くの品種があり、それぞれ長さや太さが異なります。たとえば、鹿児島県桜島の火山灰によって育てられる「桜島ダイコン」は世界最大のダイコンで、カブのような丸い形をしています。守口ダイコンは世界最長のダイコンといわれ、標準的な大きさは太さ2.5cm、長さ120cmで、なかには150cmを超えるものもあります。
一般的に知られているのは、辛みが少なく、やや小型の青首ダイコンです。冬ダイコンの代表といえる品種であり、全国各地で栽培されています。1年中出回っていますが、冬を越したものがとくに甘みが強く、美味です。
〈消化酵素が胃もたれを解消、がんの抑制にも効果を発揮〉
<根>
○栄養成分としての働き
ダイコンに含まれる成分でもっとも注目したいのは、消化酵素であるアミラーゼの働きです。
アミラーゼはでんぷんを分解する酵素で、食物の消化を助け、胸やけや胃もたれを防ぎます。
同じく酵素であるオキシダーゼも含み、これは解毒作用にすぐれる成分です。がん予防にも有効な成分で、魚の焦げに含まれる発がん性物質を抑制する作用があります。
これらの成分は加熱に弱いので、生でとったほうが効果的。手軽なダイコンおろしがいちばんいい食べ方といえるでしょう。
ダイコンにはピリッとした辛さがありますが、これは80種ほどあるカラシ油のなかの4―メチルチオ3―ブテニル・イソチオシアネート(MTBI)という成分で、野菜ではダイコンだけに含まれているものです。この成分は、がんの抑制に効果があることがわかっています。
ダイコンおろしは二日酔いを解消するのにも役立ちます。
飲みすぎた翌日、なかなかお酒が抜けなくて気持ちがスッキリしないときは、小鉢一杯ほどを飲んでみましょう。症状がやわらぐといわれています。
この場合は、ダイコンをよく洗って皮つきのままおろします。皮の部分にビタミンCが多く、これが肝臓の働きを助けてアセトアルデヒドの分解を促進するのです。
○注意すべきこと
ダイコンは、ビタミンCが多いのが特徴ですが、おろしてから20分後には8割に減ってしまいます。なるべく食べる直前におろすようにしましょう。
〈葉はカロテン、カルシウムが豊富な緑黄色野菜〉
<葉>
○栄養成分としての働き
ダイコンは、白い根の部分だけでなく、葉の部分にも注目すべき栄養素がつまっています。
葉は立派な緑黄色野菜で、カロテンを豊富に含み、カルシウム、食物繊維、ビタミンCといった栄養素の含有量はコマツナを上回っています。これらはがんや骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、貧血の改善などに効果を発揮します。とくに根の部分には含まれていないカロテンの含有量が100g中3900μgと多いのが特徴的。カロテンは、皮膚や内臓の粘膜(ねんまく)を強化し、ウイルスへの抵抗力、自然治癒力(しぜんちゆりょく)を高めてくれます。こうした働きで胃腸を強くし、がんを予防します。
○漢方的な働き
また、ダイコンの葉にはさまざまな薬効もあります。
たとえば、干した葉を風呂に入れて入浴すると、体があたたまり、神経痛や冷え症などに効果的に働くといわれています。生の葉の汁は、切り傷や虫刺されなどによるかゆみを抑えます。
○外用としての利用法
ダイコンの葉の干したものを3株ぐらい細かく切って袋に入れ、水の状態からフロを沸かして入ると、足腰の冷えに効果があります。漢方薬局にあるダイコンの干し葉(ヒバ)を利用すると、簡単です。
◆切り干しダイコン
○栄養成分としての働き
ダイコンの加工品である切り干しダイコンも栄養価の高い食品です。これは、ダイコンの根を細切りにして天日に干した保存食です。干すことによって甘みと風味が加わり、栄養価も増します。
カリウムは100g中3500mg、カルシウムは500mg、ビタミンB1が0.35mg、B2が0.20mgといずれも生よりもふえています。これらの成分が、高血圧症予防、骨粗鬆症、疲労回復などに役立ちます。食物繊維も20.7gと含有量が多く、便通をととのえます。
◆カイワレダイコン
○栄養成分としての働き
料理の脇役的な存在のカイワレダイコンにも、栄養的な価値があります。これはダイコンの芽が大きくなる前に摘んだもので、さっぱりしていて少し辛みがあります。
カルシウムやマグネシウム、亜鉛(あえん)などのミネラル類を含み、ビタミンEもたっぷり。Eは末梢部分(まっしょうぶぶん)の血行障害改善に効果的に働きます。ビタミンKも含んでおり、カルシウムの代謝を活発にします。
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3. では、それが無ければ、今まで与えてもらっていた価値を、みんなが自分で全部、どのように満たしていけば良いのか?
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4. 改めてイメージしてみると、それがそこに存在できているのは、その周りの誰が(あるいは、何が)支えてくれているお陰なのか?
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